蛸の子供は何と呼ぶか
最初に断っておく。このコラムはかみさんが書いたものである。
私たちには親切な恩人が居る。世話になったことをいちいち挙げていたらキリが無いくらいの恩人だ。 讃岐出身のその方は高名な讃岐うどんはもちろんのこと、度々ちりめんじゃこの巨大パックを贈ってくれる。 (あまり有名ではないようですが、香川のちりめんじゃこはとても美味しいのです)
何しろ500gのパックだから、まれにじゃこ以外の生物が混じっていることがある。 それは、小さな小さなエビだったり、カニだったり。きっと卵から孵ったばかりだったんだろうな。
ある日、夫はじゃこの中に小さなタコを見つけた。
「あっ。タココがあった」
…タココ?
なにさそれ。なんでコが重なるのさ。
「だって小さいでしょ。子供のタコだから」
子供のタコだから。…それをいうなら、子蛸、コダコが正しいんじゃないの?
「なに言ってるんだよ!(若干本気怒り)蛸の子供は、タココでしょうが!」
あんたこそ何言ってるのさ!じゃあ、犬の子供は何て言う?
犬の子供は、子犬。コイヌだ。誰だって知ってる。
猫の子供は、子猫だ。
ウサギの子供は、子ウサギだ。
クマの子供は、子グマだ。
大抵、子供であることを表す 形容詞なのか接頭語なのか 子は名詞の前に付くもんじゃなかろうか。
わたしは、夫にそれを伝えたかった。気づいてくれると思った。
だってまさか、イヌコとは…言わないだろう?変でしょうが。
夫は2秒ほど空を見つめ、言った。
「犬の子供は、『わんこ』でしょうが」
!! わんこ!
わんこ! 犬の子供は、わんこ!!!
「だから、タココでいいんだよ」
よくねーよ!
そんな真面目な顔して、そんなこと言うな!
しかし、「当然だろう?」って顔してるところを見ると本気のようだ。
…真面目に、言っているの?
「真面目も何も、犬の子供はわんこに決まってるでしょうが」
ナントカと天才は紙一重というが、、天才というほど切れるわけでもないし…
夫は決して馬鹿ではない。だけど、真性の阿呆なのかもしれない。