トヨタ生産方式について II
トヨタの車の生産は、計画が殆どぶれることがない。変動はせいぜい5%ぐらいではないだろうか。
極論になるが、完成車の車は勿論、それに使う部品一つひとつ、毎日の生産量は一定になる。
だから後補充やストアが放っていても機能する。
余分に作ってしまった車は各販社のプール(呼び方をしらない。)に大量に在庫しているではないか。
なぜ、販社の仕掛もギリギリになるような生産をしないのだろうか。
逆に人気車で、生産能力以上の注文が入っても、生産能力をアップしない。
平気で客を何ヶ月も待たせる。
一般的な会社では、お客様からの注文が大量に入れば、なんとしてでも納期に間に合わせて作ろうとする。
それが当初計画の2倍・3倍であってでもである。
逆に予想に反して注文が入らなかったら、余分に作らないように生産を調整する。
私が勤めるような生産の変動が激しい会社でのトヨタ生産方式はこうやるべきだと理解した。
生産量が大きく変動する場合には、ある程度先を予測して、日当たりの生産量を一定にして、生産を平準化することだ。
そして、後補充の体勢(ストアのストック数など)をこまめに変更する。
最低でも1週間ごとに見直すことが必要だ。
これにかなりのパワーを取られる。
また、平準化するために先を予測する、つまり計画を立てて生産するので、半分以上は計画生産になる。
手段としてカンバンを使えばいいのである。
大きく変動する生産量には、後補充にしただけでは、部品はついて来れない。
長納期部品のキーパーツやカスタム部品は、トップが戦略をもって部品を手当てすべきである。
納期対応にある程度の部品在庫を持つ、という経営判断があってもおかしくないと思う。
しかし、トップからは後補充にしてしまえば、仕掛も少なくなって、すべてうまく行くと思っているような発言を聞く。
ものを1度も作ったことが無い人が、生産革新と称して訳の分からない理論を振り回す。
こんなので、本当にこの会社は大丈夫だろうか。